全日本クラシックカメラクラブ
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>>  最 近 の 活 動 報 告  <<        (08年2月10日作成)

2008年最初の研究会は、1月12日14時から開催され、所用のため出席できない高島会長にかわって倉石副会長が司会を務めました。研究会に先立ち開催された幹事会で決定した「AJCC世界のカメラ」委員会の設立の経緯と活動予定について、小林昭夫副委員長から報告と全会員にたいする協力要請がありました。詳細は別稿をご覧ください。

今回のテーマは、カメラ名または製造者名が「EまたはFで始まるカメラ」です。カメラ名のEは、エクサクタ、エクサ、エンサインに、Fは、フォカ、フジカに集中しました。E、Fのつくメーカー名では、予想に反してエルネマン、Etaがやや目立つぐらいでした。



2008年1月研究会持参カメラ一覧・・基本的には持参者の記入通りとし明らかに誤記と思われるものは(編)で修正しました(敬称略、50音順)

持 参 者 カ メ ラ  名 製 造 会 社 フィ ル ム 国 名 発売年
伊丹 正晴 フォカ PF2 O.P.L. 135(24×36mm) フランス 1947
エクサ(042)-type1.2 イハゲー 東ドイツ 1952
伊東 幸男 エボニー35デラックス 豊栄産業 ボルタ判(24×36mm) 日本 1955
エボニー35 828(25×37mm) 1957
No.3フォールディングポケットコダックModel D イーストマン コダック 118(3 1/4×4 1/4in) アメリカ 1903
稲田 裕之 エルコナ Ⅰ ツァイス イコン 120(6×9cm) 東ドイツ c1947
エンサイン クラブマン ホートン 620(6×9cm) イギリス 1954
井上 秀夫 エンサイン セルフィックス 16/20 120又は620(4.5×6cm) c1950
岩崎 敏彦 フォカ スタンダール(*) O.P.L. 135(24×36mm) フランス 1953
エクサクタ ヴァレックス(VX) (017) イハゲー 東ドイツ 1951
内田 五三郎 フィルム K(6.5×11 後期) エルネマン (6.5×11cm) ドイツ c1920
ヘアクⅡ 乾板(9×12cm) 1913
鵜殿 龍太郎 エルモフレックス Ⅳ エルモ 120(6×6cm) 日本 1955
神藤 弘充 エンサイン セルフィックス20 ホートン ブッチャ- 120(6×9cm) イギリス 1933
フォールディングエンサイン ホートン 116(2 1/2×4 1/4inch) c1910
小滝 日出彦 エクサクタⅡ (012) イハゲー 135(24×36mm) 東ドイツ 1949
エクサクタ V (015) 1950
フジカシックス(ⅡCS) 富士写真フイルム 120(6×6cm、4.5×6cm) 日本 1953
スーパー フジカシックス 120(6×6cm) 1955
コニカ アイ(EYE) 小西六写真工業 135(24×18mm) 1964
小林 昭夫 フォス フォールディングカメラ(ベースボード型) フォス(C. F. Foth & Co.) 120(6×9cm) ドイツ 1935
 〃   〃   (セルフエレクティング型) c1935
 〃   〃  ルクスス(セルフエレクティング型)
小林 泰人 B.B.セミファースト ファーストカメラワークス 120(4.5×6cm) 日本 1940
フォティマ(Fotima) レフレックス フォタックス 127(3×4cm) スウェーデン 不明
オートフレックス オプティコテクナ(Optikotechna) 120(6×6cm) チェコスロバキア 1938
フレクセッテ 1939
フレクサレット Ⅱ 1946
   〃     Ⅲ MEOPTA 1947
   〃     オートマット Ⅶ 1966
椙山 捷三 ファーストシックス V型 常磐精機(発売元;皆川商店) 120(6×6cm、4.5×6cm) 日本 1953
鈴木 恭一 エクサクタ ヴァレックスⅡa (023) イハゲー 135(24×36mm) 東ドイツ 1956
  〃      VX   Ⅱb (028) 1963
エクサ (047)-Type4 1956
  〃 1b (059) (M42) 1977
エタレタ エタ(ETA) チェコスロバキア c1946
高井 弘善 エクサクタ ヴァレックスⅡb (028) イハゲー 東ドイツ 1963
交換レンズ キルフィット テレキラー300mm F5.6、シュタインハイル キナール135mm F3.5、ツァイス フレクトゴン25mm F4、同パンカラー50mm F2
竹内 久彌 ファマ(Fama) Ⅱ コルニュ(Cornu) 135(24×36mm) フランス 1954
ファボール(Favor)Ⅰ Dr. ヴェーラー(W?hler) 西ドイツ c1950
中村 昭典 エンサイン キューピッド ホートン 120(4×6cm) イギリス 1922
鍋田 道雄 エルモフレックスⅢD エルモ 120(6×6cm) 日本 1951
スーパーフジカシックスM 富士写真フイルム 1956
エンサイン セルフィックス420 ホートン ブッチャー 120(6×9cm) イギリス c1940
服部 豊 フジカフレックス 富士写真フイルム 120(6×6cm) 日本 1954
ファーストシックス 常磐精機 1955
林 勝夫 エンサイン オートレンジ16-20 ホートン 120(4.5×6cm) イギリス c1953
フォカフレックス(Ⅰ) O.P.L. 135(24×36mm) フランス c1960
林 輝昭 エンサイン カーバイン トロピカル ホートン ブッチャー 120(6×9cm) イギリス 1927
エンサイン セルフィックス20 1933
藤岡 俊一郎 フジタ 66 藤田光学工業 120(6×6cm) 日本 1956
ナハト エクサクタ B Type5.2 イハゲー 127(4×6.5cm) ドイツ 1938
藤田 耕一 エクサ Ⅱa (067) タイプ2    〃 135(24×36mm) 東ドイツ 1963
エタレタ エタ(ETA) チェコスロバキア c1946
藤森 惇 エクサクタ VXⅡb (028) 東ドイツ 1963
ロンディーネ(Rondine) フェラニア 127(4×6.5cm) イタリア c1948
山口 満 シンプレックス エルノフレックス エルネマン 乾板(4.5×6cm) ドイツ 1925
エンサイン オールディスタンス トゥェンティー ホートン ブッチャー 120(6×9cm) イギリス 1930
エリオフレックス2 フェラニア 120(6×6cm) イタリア c1950
山前 邦臣 フォカ PF1 PTT O.P.L. 135(24×26mm) フランス 1951
フォカ PF3 Mod.2 O.P.L.
湯浅 謙 エタレタ(ボディー違い、レンズ違い他で5種) エタ(ETA) チェコスロバキア c1946


 エクサクタの登場は、1933年3月のライプチッヒ春の見本市で、127ロールフィルムフルサイズ(4×6.5mm)、1/25~1/1000秒の横走りフォーカルプレーンシャッター、レンズ交換可能というスペックを持つ総金属製の一眼レフであった。
 翌1934年には、スロー付のモデルB、1/1000秒とレンズ交換を省略したJrの3モデルに機種強化を図った。さらに明るい標準レンズを装着したナハト(夜)エクサクタが登場する。写真のナハト エクサクタは、その特徴から1938年発表の第4シリーズ モデルBで、レンズはプリモプラン 80mm F1.9が装着されている。

 世界初の35mm一眼レフと記録されるキネエクサクタは、1936年3月のライプチッヒ春の見本市で発表され、第二次世界大戦中は一時中断されたものの、1948年まで生産が続いた。写真はエクサクタⅡで、1948年から49年に生産された。写真の個体は、フラッシュ固定ねじが省略されているので後期型(フンメルNo.012)に属する。
黒塗りのフロントプレートと窓カバーはオリジナルではない。


 

1950年にはエクサクタ ヴァレックスが登場し、ファインダー交換を可能とした初の一眼レフとなった。このシリーズは1967年までに約44万台が製造されて一世を風靡した。写真はヴァレックスⅡbで、Ⅱaからフロントプレートとファインダーの形が替わり、ネームプレートは黒地に白文字となり、Ⅱbではシャッタースピードが倍数系列に替わり、ファインダーのロック機構が省略された。ヴァレックスはヒッチコックの「裏窓」で覗きの道具として使われたのは有名な話。

                 エクサⅡa(087)タイプ2 
 廉価版エクサクタの位置づけのミラーシャッター式のエクサに対し、エクサクタとの間を埋めるものとしてフォーカルプレーンシャッターとしたシリーズ。
   


  チェコスロバキアの二眼レフ、フレクサレットの3姉妹(右及び下2枚の写真)

 オートフレックス(Autoflex)(写真左)とフレクセッテ(Flexette)(写真下左)は、メオプタの前身であるオプティコテクナ(Optikotechna)社製で、まだフレクサレットの名称にはなっていない。

 フレクサレット オートマット(Flexaret Automat)Ⅶ(写真下右)は、グレーの外装でおしゃれな感覚である。このオートマットシリーズⅦ型120フィルムと135フィルムが共用できるのが特徴となっている。

         

                       エタレタ
 チェコスロバキアの首都プラハにあるEta社から1946年頃発売された。ボディはアルミダイキャスト製、裏蓋も軍艦部も同様で、レンズ、シャッター、巻き上げスプール、プレッシャープレートなどの内部機構部品以外はアルミが素材である。


     エタレタの初期の個体とそれ以降の個体の差について
写真左上は国名表示の違いで上が初期のもの。写真左下は巻上ノブのバリエーションで、RAHA文字のある王冠の上にeta文字の彫刻のノブと擬革貼りのノブ。このほかに彫刻も擬皮貼りもないのものもある写真右はフィルムゲートの違いで、上が初期のもの。

            エンサイン オールディスタンス トゥエンティ
 ホートンブッチャーの全金属製ボックスカメラ。120フィルムに6×9cmの画像を撮影する。一般撮影にはこのままで、ポートレート撮影にはレンズを引き出して撮影する。引き出す意味は距離合わせなのか?

     
                 フィルムK 6.5×11cm
 エルネマン社の木製擬革貼りボックスカメラ。反射ファインダーが縦・横とも用意されているので、1920年以降の後期モデル。


 
                 ヘアク(HEAG)Ⅱ シリーズ1
 ハインリッヒ エルネマン 株式会社(Heinrich Ernemann Aktien Gesellschaft)の頭文字から命名した由緒あるカメラ名。乾板を使うフォールディングカメラを指す。ヘアクⅡは、蛇腹が一段をシリーズ1、二段をシリーズ2としている。

   
               エンサイン クラブマン
 620フィルム仕様のスプリングカメラ。アルミダイキャストに灰色のエナメルで結晶塗を施したボディが珍しい。ROSS ENSIGNのマークが刻印されている。エプシロンシャッターとロスターレンズの組み合わせ。ボディシャッター付き。

        

                         フォス ファルト(フォールディング)カメラ  (上の2枚の写真と下左の写真) 
 ベルリンのフォスが製造したフォールディングカメラ。上左の写真のものは手で引き出すベースボード型。上右および下左の写真のものはセルフエレクティング型(スプリングカメラ)。下左のカメラは茶色の鰐皮で飾ったルクスス仕様。シャッター右下の円盤は、セルフタイマーのディレイ調整用。セルフエレクティング型とベースボード型、テッサー・コンパーの組み合わせから自製の組み合わせの廉価版までいろいろバリエーションがある。

        
 

             B.B.セミファースト 光度表式露出計付
 1940年発売のB.B.セミフアーストで、1939年式との違いは、折り畳み式のファインダーが固定式となり、ファインダーカバーの中にKWのピロート スーパー同様の簡易型の露光計が備えつけられていたことである。ファインダー上部には、B.B.セミファーストの彫刻と露光量の換算表がある。トーコーレンズと精工舎シャッター付きの最上位機種でる。


ファマ Ⅱ

 35mmレンズシャッター機でありながら、シャッターごとレンズ交換するカメラ。マウントはライカスクリューマウント。

 標準レンズはソム ベルチオ フロール F 2.8 50mm。 交換レンズはソム ベルチオ フロール 3.5/35mmとテレオンドール 4.5/90mm。

 テレオンドールは、広角、標準とは作りが違いレンズ番号がない。レンズ交換時には、遮光板でフィルム面を覆う。

 

                   フォカフレックス 
 35mmレンズシャッターの一眼レフ。きわめて特殊なファインダー光路をもつユニークなSRL。レンズは固定でピント合わせは前玉回転による。Ⅱ型になるとレンズ交換が可能。

 
            フォカ PF1 PTT ポストライカのフォカ版。
 電話交換機に取り付けて、度数計を撮影する専用カメラ。レンズは距離45cm、シャッターは1/25secにそれぞれ固定されている。巻き上げノブと巻き戻しノブは専用品に交換されており、自動巻き上げ、巻き戻しに対応している。アクセサリーシューに No25 と管理番号が彫刻されている。
PTTはPost Telephone Telegraphの略。








シンプレックス エルノフレックス


 蛇腹なしの一眼レフカメラ。

 ファインダーフードのヒンジが前にある個体と後ろにある個体があって、どちらが正しいのかで持ち主は悩み続けている。

左がこの個体の前側からの写真、右が後ろ側からの写真、何となく逆のような気がするが、はて?







フジタ66 ST


 藤田光学製の66判一眼レフ。
 STは最初のモデル。

 対米輸出向けは一部意匠変更したカリマーレフレックス。

 国内用レンズはF.C.フジタ、輸出用レンズはF.G.カリガーだった。


エリオフレックス2


 イタリアのフェラニア社製の6×6判カメラ。どうです!イタリアでしょうといったデザインが特徴。

 二眼レフに見えるが単なる反射ファインダーで、フォーカシングには使えない。 従って、距離合わせは目測。フードの上にスポーツファインダーが別にある。
 
レンズ回りはローライ風だが、フィルム送りは赤窓式。





ロンディーネ

 イタリアのフェラニア社製のベスト判、金属製のボックスカメラ。

 反射ファインダーと透視ファインダー付き。

 ボディカラーは黒、茶、黄褐、緑、青、赤から選べる。本機は茶色。シンクロ接点付き。
     
              エンサイン オートレンジ 16-20
 前玉回転による距離合わせ。距離計連動方式はズーパーイコンタのコピー。ボディシャッターには、仕掛けがあって巻きあげないと中央のピンが引っ込まず、指先を刺激する。