全日本クラシックカメラクラブ
All Japan Classic Camera Club

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>>  最 近 の 活 動 報 告  <<        (07年2月18日作成)
 2007年最初の研究会は、113()14時から何時ものようにJCII 6階の会議室で開催されました。
 
今回のテーマは、「製造会社名またはカメラ名がAで始まるカメラ」です。このテーマは、昨年末でZまで一巡したものの、会員からの要望に従って再度取り上げました。
持ち寄られたカメラは多岐にわたりますが、国産メーカーでは、旭光学工業、アイレス写真機製作所に、外国メーカーでは、アグファ、アンスコ、アルザフォトに集中しました。

2007年1月研究会持参カメラ一覧・・基本的には持参者の記入通りとし明らかに誤記と思われるものは(編)で修正しました(敬称略、50音順)
持 参 者 カ メ ラ  名 製 造 会 社 フィ ル ム 国 名 発売年
赤川 浩義 アグファ アンスコ ボックスカメラ アグファ アンスコ 120(6×9cm) アメリカ
イゾレッテ T(1954) アグファ 120(6×6cm) 西ドイツ 1954
   〃   U  〃   〃 1950
   〃   V  〃   〃 1951
伊木 紀昭 アサヒフレックス TA 旭光学工業 135(24×36mm) 日本 1953
   〃   S2   〃   〃 1959
   〃    SV   〃   〃 1962
   〃   SP(クロームおよび黒塗装)   〃   〃 1964
   〃   6×7   〃 120(6×7cm) 1969
   〃   645   〃 120(6×4.5cm) 1984
石橋 直幸 アイレス 35VC (F1.9) アイレス写真機製作所 135(24×36mm) 1958
アサヒペンタックス SB2 旭光学工業   〃 1959
アトム シックス U アトム光機製作所 120(6×6cm、6×4.5cm) 1952
井上 秀夫 アカレッテ U(ラディオナー75mm、
              クセノン50mm)
アパラーテ&カメラバウ 135(24×36mm) 西ドイツ 1950
岩崎 敏彦 アサヒフレックス UA 旭光学工業   〃 日本 1955
ゾリネッテ U アグファ   〃 西ドイツ 1952
内田 五三郎 アサヒフレックス TA 旭光学工業   〃 日本 1952
メモ アグファ アンスコ 35mmカラートカセット(24×36mm) アメリカ c1939
カラート12/2.8 アグファ   〃 西ドイツ 1947
岡本 貞雄 アイレスフレックス Z(ニッコール7.5cm付) アイレス写真機製作所 120(6×6cm) 日本 1951
アサヒペンタックス K 旭光学工業 135(24×36mm) 1958
神藤 弘充 アンスコベストポケットNo.2 アンスコ 120(6×9cm) アメリカ 1915
アグファ ビリー コンパー アグファ   〃 ドイツ 1934
アルコ 35 アルコ写真工業 135(24×36mm) 日本 1952
小滝 日出彦 アンスコベストポケットNo.2 アンスコ 120(6×9cm) アメリカ 1915
アイレス 35VC (F1.9) アイレス写真機製作所 135(24×36mm) 日本 1958
 〃  バイカウント   〃   〃 1959
小林 昭夫 トロリクス アグファ 120(6×9cm) ドイツ 1936
イゾレッテ  〃 120(6×6cm、6×4.5cm) 1938
クラック  〃 120(6×9cm) 西ドイツ 1954
クリック U  〃 120(6×6cm) 1958
小林 将利 アイレスフレックス U アイレス写真機製作所 日本 1953
アルペンフレックス Z 八陽光学工業 1955
小林 泰人 イェール(Yale) No.2 アダムス(Adams & Co.) 乾板(8×10.5cm) イギリス c1895
スペシャル B ニューマンアンドガーディア  〃 (6.5×9cm)
佐藤 経明 アンビ ジレッテ アグファ 135(24×36mm) 西ドイツ 1956
鈴木 恭一 カラート  4.5 35mmカラートカセッテ(24×36mm) ドイツ 1939
  〃   3.5 1938
  〃   W 135(24×36mm) 西ドイツ 1954
アイレス 35 VC アイレス写真機製作所 日本 1958
   〃    V 1955
APMボックス Amalgamated Photographic Mfg. Ltd. 116(6.5×11cm)(2 1/2×4 1/4) イギリス c1920
高島 鎮雄 アジマティック アジルックス(Agilux) Ltd. 135(24×36mm) 1956
アジマ 1960
ル・ドゥー(Le Doubs) アルザフォト(Alsaphot) フランス 1956
メモボックス アルザフォト24/36 1952
AMA T デュファ(Dufa) 127(4×6.5cm) チェッコスロバキア 1938
 〃 U 127(4×4cm) 1939
スポーツショット シーニア トゥエンティ  アクマ(ACMA) 120/620(6×9cm) オーストラリア c1938
竹内 久彌 アルテッサ SITO(ロワイエ) 120/620(6×9cm、6×6cm)) フランス 1952
アレックス ヨハン・シュヴァルツバウアー 135(24×29mm) オーストリア 1954
中田 愼一 ヴェスタ(Vesta) アダムス(Adams & Co.) 乾板(4×6.5cm) イギリス c1910
アイデント(Idento)   〃 乾板(3.25×4.25in) c1905
ニノン(Ninon) Luxus アグファ 乾板(6.5×9cm) ドイツ 1925
ニトール(Nitor) Luxus  〃 乾板(6.5×9cm)又は120(6×9cm) 1926
中村 昭典 アーガスC3 アーガス 135(24×36mm) アメリカ 1939
カラート36 アグファ   〃 西ドイツ 1948
スーパージレッテ  〃   〃 1955
スタンダード  〃 120(6×9cm、6×6cm) ドイツ c1926
鍋田 道雄 アイレス 35 U アイレス写真機製作所 135(24×36mm) 日本 1954
   〃    X   〃   〃 1958
服部 豊 アイレス バイスロイ   〃 120(6×6cm) 1956
オートテラ スーパー 寺岡精工所 135(24×36mm) 1959
アルタ 三鈴光学工業   〃 1957
エグロン レフレックス(Aiglon Reflex) ATOMOS 120(6×6cm) フランス c1950
林 勝夫 アルティックス X EHO アルティッサ 135(24×36mm) 東ドイツ 1956
カラート W アグファ   〃 西ドイツ 1954
アジマ アジルックス Lyd.   〃 イギリス 1960
林 輝昭 アイレス 35T アイレス写真機製作所   〃 日本 1954
ヴァート(Verto) アダムス(Adams & Co.) 乾板(6.5×9cm)、ロールフィルム イギリス c1930
平形 信 アーガスC3 アーガス 135(24×36mm) アメリカ 1939
アイレス 35U アイレス写真機製作所   〃 日本 1954
藤岡 俊一郎 アサヒフレックス TA 旭光学工業   〃 1953
ベスト ポケット スピーデックス No.3 アンスコ 120(6×9cm) アメリカ c1916
藤田 耕一 アンビ ジレッテ(後期) アグファ 135(24×36mm) 西ドイツ 1960
   〃  〃   〃 1956
馬淵 勇 オートレンジ(Autorange) 220 エンサイン ホートン 120(6×6cm、6×4.5cm) イギリス 1937
オートレンジ(   〃  ) 20    〃    〃 120(6×9cm) 1934
アイレス 35 IIIC アイレス写真機製作所 135(24×36mm) 日本 1958
森岡 宏郎 アンシュッツ・アンゴー ゲルツ 乾板(9×14cm) ドイツ 1896
No.1Aフォールディングアンスコ アンスコ 116(6.5×10.8cm) アメリカ c1915
No.3A    〃    〃  〃 122(8.3×14cm) c1914
山口 満 アーガスC3 アーガス 135(24×36mm) c1960
山前 邦臣 アジャックス アルザフォト(Alsaphot) 120(6×6cm) フランス ?
  〃     D   〃   〃 1952
  〃     VS   〃   〃
ダッサス 2 (ノルラン)   〃   〃
ル・メン Uc 135(24×36mm) 1958
山本 利実 アイレス ペンタ 35 アイレス写真機製作所   〃 日本 1959
 〃   レーダーアイ   〃   〃 1960
吉田 安夫 カラート 3.5 アグファ 35mmカラートカセット(24×36mm) ドイツ 1938
  〃  36 (1948)  〃 135(24×36mm) 1948
アンスコ メモ II オートマティック 理研光学工業 135(24×18mm) 日本 1962
アイレス 35VC (F1.9) アイレス写真機製作所 135(24×36mm) 1958

  
 アイレス
35。 アイレスが35mmレンズシャッター機に進出したのは、二眼レフ最盛期の1954年で理研光学とほぼ同時期である。両社とも対米輸出に力を入れていたので、バイヤーからの要請に従って開発したのだろうか。最初のモデルは、後にT型と言われるこのアイレス35である。ユニークなボディ前面にある大きなレバーはシャッターレリーズ用であって距離調節用ではない。
  
 アイレス35U。 19544月のフォトキナでライカM3が発表された。この新しいカメラに発展途上にあった日本中のカメラメーカーにショックが走った。特にそのファインダーに注目が集まった。ところが、アイレス35Uが僅か6カ月後の同年10月にM3と同様のブライトフレーム付きの連動距離計が採用され、その対応の速さに驚かされたものであった。
 この方式の原点は戦闘機の照準器で、零戦には富岡光学製と千代田光学精工製が搭載されていた。

  

 アイレスV型のなかで異色な存在はこのアイレス35VCである。ボディは、これまでの男性的な八角形から女性的で優美な長円形に変わり、M型ライカのデザインをよほど意識したのか、ボディ左側にセルフタイマーと巻き戻しレバーを配置している。パララックスも自動修正になった。19579月にコーラル4.5cm F2.4付が、19583月にコーラル4.5cm F1.9付が発売された。この時代は、類似意匠についてドイツメーカーからのクレームは無かったようだが、数年後には大きな問題になった。

 アイレス35X。レンズ交換を可能としたアイレス唯一のカメラで、195810月の発売。
ボディは八角形にもどり、ビハインドシャッター搭載のためひと回り大きくなった。距離計との連動のためにヘリコイドはボディ内に置き、レンズ全群を交換する。標準レンズはコーラル
4.5cm F1.5、同F1.8、交換レンズは、広角が3.5cm F3.2、望遠が10cm F3.5があった。開発に手間取った上に製品の歩留りが悪く、アイレス倒産の原因となったカメラと言われた。
  


 アイレスレーダーアイ。アイレスVCの後継機と言えるデザイン。外光式のセレン露出計が内蔵されており、ファインダー内部でその指針を追うことができる。シャッターは最高速 1/1000秒のセイコーSLSである。発売は19605月だが、2カ月後の同年7月にはアイレス写真機製作所は倒産し整理に入り、日本写真機工業会を退会したのは翌19613月なので、その間は債権者の管理のもと生産は続けられたのであろう。
  
 アイレスが35mmレンズシャッター一眼レフに参入したのは1959年で、「日本最初」の栄誉は東京光学のトプコンPRに譲ったが、PRに採用されたシチズンMVシャッターには自動絞り機構がなかった。一方、PRの後塵を拝したものの、このアイレスペンタ35には最新鋭のセイコーシャSLVが採用され、初の自動絞り付きのレンズシャッター一眼レフとなった。このSLVは、クイックリターンミラーに対応していたが、アイレスペンタ35には採用されず、その栄誉は翌1960年発売のトプコンウインクミラーに譲る。Qコーラル 5cm F2.8付は195910月、Hコーラル 5cm F2月は翌19601月の発売。
  



 アイレスバイスロイ。アイレス唯一のスプリングカメラで、120フィルムの6×6cm6×4.5cm兼用機。最大の特徴はファインダーで、明かりとり窓を持つブライトフレーム付で二重像合致式の連動距離計が入っている。35系の血を引くアイレスらしい仕様だが、ボディ側はフィルム送りが赤窓式で、自動捲き止めや二重露光防止などの装置はなく極めて平凡である。高嶺光学に製造を依頼したカメラで、ベースはミネシックスVSである。
  
 アグフア(AGFA)は、1867年にドイツ・ベルリンで誕生した化学薬品メーカーで、1925年にはリーチェル社と合併してカメラ製造に進出した。リーチェル社を併合した直後のカメラが、このニトールとニノン(斜め下の写真)である。いずれも茶革の蛇腹の美しいルクスス(Luxus) カメラで、ニトールは、乾板と120ロールフィルム兼用だが、ロールフィルム専用のスタンダードもある。

アグファ ニノン(Ninon)
  
 1936年発売のトロリクスは、120ロールフィルムを使うボックスカメラ。真っ黒なボディは、ベークライト近似の合成樹脂トロリ(Trori Plastics)製である。その材料をカメラ名にしているのは化学薬品メーカーアグファの面目躍如。
  
 120ロールフィルムを使うイゾレッテシリーズは寿命の長いカメラで、1938年から1960年まで製造された。戦前の製品は、この写真のイゾレッテ オリジナルと言われているもので、6×6cm6×4.5cmの兼用機となっている。黒色の軍艦部は、トロリ製である。戦後のイゾレッテは、6×6cm専用となり、軍艦部は、アルミ鋳造、後にはプレスとなった。
  

カラートは、戦前の1937年から戦後の1957年まで製造された長寿命の製品であった。
戦前のカラートは、全てカラートカセッテによるダブルマガジン方式なので、巻き戻しノブがない。カメラには型式名が明記されていないが、取扱上カラートの後にレンズの明るさを示して分類している。軍艦部には吊り環があるものと無いものがある。

       

戦後のカラートには、12枚撮りのカラートカセッテ用モデルと、標準のパトローネ用モデルがある。カラートカセッテ用のモデルでは、カラートの後に「12/レンズの明るさ」を表示し、パトローネ用のモデルでは「36」と表示して分類している。写真左はカラート12/2.812枚撮りのカラートカセット用、レンズの明るさは2.8である。形はそっくりだが、写真のカラート36には巻き戻しノブがある。カラート36には、軍艦部の違いから1948年モデルと1952年モデルがある。

         

アグファ メモ

アグファ・アンスコがアメリカで製造したカラートカセッテ仕様の35ミリカメラ。

フィルム送りに特徴があり、裏蓋にある捲き上げ用のバーをスライドさせると、プレッシャープレートの上下にある一対の爪が一齣分
送り込む仕組みである

1939
年頃に発売された。


    
   
 アルテッサ120フィルムと620兼用のレンズ交換可能なレンズシャッターカメラ。レンズ交換のために布製の遮光幕が用意されている。レンズ交換時には、先ず遮光幕を引き、その後でレンズ、シャッター、鏡胴をボディから外す。遮光幕を引かないとレンズは外れない。 画面サイズは6×9cm6×6cmだが、6×6cmへの切り換えにはこの遮光幕を利用している。標準レンズはアンジェニューからU1、同X12本、ソム・ベルチオから2本用意されていた。また、ソム・ベルチオから75mmの広角レンズと150mmの長焦点レンズの提供が企画されていましたが幻に終った。カメラの製造はSITO(通称ロワイエ)で、これだけ凝ったメカニズムなのに、なぜ距離計連動としなかったのか不思議だ。
  

ドイツ国境に近いアルザス地方のメーカーであるアルザフォトの製品4種。
 アジャックス(写真)は、120フィルムを使う6×6判の大衆向けのカメラ。アルテッサと同様に沈胴式だがレンズ交換はできない。シャッターがフランス製のシンクロコンパー。
 アジャックス
D(下左)、アジャックスVS(下右)、ダッサス22段下左)と続くが、機構、機能とも殆ど違いはない。


アジャックスD

アジャックスVS

ダッサス
  
アルタ 35
 1957
年から58年にかけて約500台製造されたというライカ・のコピー機このアルタは機番から推定すると生産終了間際の製品
である。標準レンズはアルタノン50mm F2 1.5ftまで接近でき。雑誌広告によると製造は三鈴光学工業()が、本体軍艦部にはMisuzu Optical Co .Ltd.と彫刻されていてIndustry(工業)の文字はない
  

オートテラ スーパー
 ハカリの寺岡精工所が製造したスプリングによる自動巻き上げカメラの第三弾。1959年の発売
単独露出計を内蔵するスーパーLも発売された。シャッターボタンを押すとシャッターが切れ、指を離すと1送られる
   
アレックス
 
オーストリ
のヨハン シュヴアルツバウアーが製造した35ミリカメラ。自動捲き止め機構がなく、駒数カウンターに合わせて捲き止める画面サイズが24×29mmと中途半端なのは、駒間の不揃いを見越した処置だろうと思われる。
       
アカレッテU 
50mm75mmのファインダーが並ぶレンズ交換可能なレンズシャッター35mmカメラ。アカレッテTとUの違いは吊り環の有無。この2台のアカレッテUにはそれぞれ50mmレンズ(写真左)と75mmレンズ(写真右)が付いている。二つのカメラは同じように見えるが軍艦部を良く見ると吊り環の位置に違いがある。50mm付のボディでは、軍艦部両端に付いているが、75mm付のボディでは、やや内側の前寄りに変更されている。しかし、その後の製品から吊り環は消えてしまう。アパラーテ・&カメラバウの製品のうち、吊り環のある唯一のカメラとして貴重なものである。
  

スポーツショット シーニア トゥエンティ
1938
年頃、オーストラリアのアクマ(ACMA)が製造した、120620兼用のべークライト製ボックスカメラ。ボディカラーは海老茶色の他に、緑、茶、黒などがあった。(ACMAAustralasian Camera Manufacturers)




オートレンジ 20 エンサイン

 距離計連動のフォールディングカメラ。

 裏蓋にも仕掛けがあって、レバーを引き上げると赤窓が開き、フアインダーがマスクされ、同時に内部のプレッシャープレートが下がって捲き取り抵抗を低減させている。