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全日本クラシックカメラクラブ
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>>  最 近 の 活 動 報 告  <<        (05年1月31日更新)
2005年1月の研究会報告
 1月8日(土曜日)午後2時からJCII6階会議室にて開かれました。正月松の内にもかかわらず60人ほどの会員が集まりました。
テーマは『カメラ名又はメーカー名が「N]または「O]で始まるカメラ』でした。日本を代表する光学機器メーカーであるニコンとオリンパスの製品が大勢を占めました。ちなみにニコンは23台7機種、名機と言われたS2が11台と約半数、Fが5台と続きます。次はオリンパスの18台で、35mmレンズシャッター機が8台、ペンシリーズが8台、120フィルム機が2台の構成です。第3位はニッカの6台、戦前のオリンピックが5台と続き、その他4台で国産機が56台となりました。一方外国産のカメラは24台と劣勢ですが、目を見張るような珍品揃いで貴重な体験をいたしました。

 研究会は初めに当会きってのニコンの権威服部豊会員から「ポケットからのニコン」と言う表題で、ニコンレンジファインダー機の小さなアクセサリーの数々をポケットから出してそれにまつわる話をして頂きました。


05/1月研究会持参カメラ一覧・・基本的には持参者の記入通りとし明らかに誤記と思われるものは(編)で修正しました(敬称略、50音順)
持 参 者 カ メ ラ  名 製造会社 フィルム 国名 発売年
浅沼 宣夫 ニコンS 日本光学工業 135(24×36mm) 日本 1951
オリンパス35 W オリンパス光学工業 1949
オリンパス35 K 1957
オリンパス35 S2.8 1955
五十嵐 登 ネスコン35 日本精機工業 1956
ハリーナ35X(ネスコン35のコピー機) W.ハキン 香港 1959
ネオカ35 2S ネオカ 日本 1955
伊木 紀昭 ニコンF 日本光学工業 1959
ニコンS2(前期) 1954
ニコンS2(後期) 1957
石橋 直幸 ニコンS 135(24×34mm) 1951
ニコンS2 135(24×36mm) 1954
岡田 万寿男 ニコンS2(後期) 1957
ニコンF(黒塗り) 1959
岡本 貞雄 ニコンS2(前期) 1954
ニコンS2(後期) 1957
小滝 日出彦 オリンパス クロームシックスVB オリンパス光学工業 120(4.5×6cm、6×6cm) 1951
オリンパス35 SU1.8 135(24×36mm) 1957
オリンパスワイドS
(フィート、メートル目盛の2種)
1957
オリンパスフレックスA3.5U 120(6×6cm) 1956
ニコンS2 日本光学工業 135(24×36mm) 1954
小林 昭夫 ノリス(Noris)   販売元:C.A.Muller バルダ 120(4.5×6cm) ドイツ c1936
ノリス 120(4.5×6cm、6×9cm)
小林 将利 ニッカ 5 ニッカカメラ 135(24×36mm) 日本 1955
小林 泰人 トレリス(The Trellis Camera) ニューマン&ガーディア 乾板(1/4プレート) イギリス 1910
ニコンオート35 日本光学工業 135(24×36mm) 日本 1964
佐藤 経明 フォカフレックス T O. P. L. フランス 1959
篠崎 光宏 オリンパス35 T型 高千穂光学工業 135(24×32mm) 日本 1948
オリンパスペンF(黒塗り) オリンパス光学工業 135(18×24mm) 1963
オリンパスペンEM 1965
オリンピアSS 不詳 120(4.5×6cm、6×6cm)
ニートリリー 小西六本店 手札版乾板(8.5×10cm) 1923
ニッカVL ニッカカメラ 135(24×36mm) 1958
ニコンオート35 日本光学工業 1964
城 靖治 ニクセ(Nixe) ツァイス・イコン 122(8×14cm) ドイツ 1927
ネッテル(Nettel) 乾板(4.5×6cm) 1929
ノマド(Nomad) ソーヤーズ Inc. 127(4×6.5cm) アメリカ 1957
椙山 捷三 ニコンS2 日本光学工業 135(24×36mm) 日本 1959
オリンパスペンS オリンパス光学工業 135(18×24mm) 1960
高島 鎮雄 N&Gユニバーサル・スペシャル
パターンB
ニューマン&ガーディア 手札版乾板(8.5×10cm) イギリス 1892
N&Gニディア
アムーレット O. T. A. G.(オーストリア電話会社) 135(24×33mm) オーストリア 1925
竹内 久彌 オカム(Okam) オカム 乾板(4.5×6cm) チェコスロバキア 1926
オプティボックス(Optibox) オプティマー 120(6×6cm) オーストリア 1948
オルビア(Olbia) フォトキン 620(6×6cm) フランス 1947
オ・カイ(O.Kay) マッサーニョ(Massagno) 127(4×4cm) スイス
田村 彰啓 ニコンS2 日本光学工業 135(24×36mm) 日本 1954
オリンパスクロームシックスVA オリンパス光学工業 120(6×6cm) 1951
津崎 晃 ニコンF 日本光学工業 135(24×36mm) 1959
ニコンS3 1958
中村 昭典 ネッターU ツァイス・イコン 120(6×6cm) ドイツ 1953
ニコマートFTN 日本光学工業 135(24×36mm) 日本 1967
オリンパスペンF オリンパス光学工業 135(18×24mm) 1963
オリンパスペンD 1962
七井 貞明 オメガ120 サイモン・ブラザーズInc. 120(6×7cm) アメリカ 1954
長谷川 幸也 ニッカVs ニッカカメラ 135(24×36mm) 日本 1952
オリンパスエース
(交換レンズ:35mm、45mm、80mm)
オリンパス光学工業 1958
服部 豊 ニコンS2(黒塗り、専用黒皮ケース) 日本光学工業 1954
S2用ミニファインダー
ニコンSP 135(24×36mm) 1957
SP用イルミネーター
タワー(ニッカ5L)
   (ニッコール50mm、F1.1付)
ニッカカメラ 135(24×36mm) 1957
Lマウントニッコール用ブライトフレームファインダー、
Lマウント35mm(F2.5&F3.5)レンズ用プラスチックフード
オリンパスペンFT(黒ボディー) オリンパス光学工業 135(18×24mm) 1966
同上交換レンズ:Gズイコ-20mmF3.5、Gズイコ-25mmF2.8、Eズイコ-38mmF2.8、
Eズイコ-38mmF2.8(パンケーキ)、Dズイコ-38mmF3.5(マクロ)、Hズイコ-42mmF1.2、
Gズイコ-60mmF1.5、Fズイコー70mmF2、Eズイコ-100mmF3.5
同上各種アクセサリー:エキサクタマウントアダプター、アングルファインダー、テレコンバーター×2、
アクセサリーシュー
林 輝昭 オリンピックジュニア 旭光学工業(理研光学工業) 127(3×4cm) 日本 c1936
オリンピック c1934
ニューオリンピックModelC c1938
オリンピック・フォア(ニューオリンピック) 理研光学工業(旭光学工業) 127(4×4cm)
林田 吉弘 ニッカVA ニッカカメラ 135(24×36mm) 1951
ニッカVB
オリンパスペンS オリンパス光学工業 135(18×24mm) 1960
藤田 耕一 ネッター ツァイス・イコン 120(6×6cm) 西ドイツ 1949
ネッター(515) 120(4.5×6cm) 1937
馬淵 勇 オプチネタ(Optineta) メオプタ(Meopta) 135(24×36mm) チェコスロバキア c1959
村松 啓三郎 ニコンS2 日本光学工業 日本 1954
ニコンF 1959
森岡 宏郎 ネッター(518/16) ツァイス・イコン 120(6×6cm) 西ドイツ 1956
アンカ(Anka)-14 ナーゲル 乾板(6.5×9cm) ドイツ 1928
山口 満 ベビー・シビル ニューマン&ガーディア 乾板(4.5×6cm) イギリス 1912
オントスコープ(Ontoscope) コルニュ(Cornu) 127ホルダー(4.5×107mm) フランス c1924
山下 浩 オリンピック・フォア 理研光学工業(旭光学工業) 127(4×4cm) 日本 c1938
山脇 慶酉 ネッター(517/2) ツァイス・イコン 120(6×9cm) 西ドイツ 1953
吉田 安夫 ニコンF 日本光学工業 135(24×36mm) 日本 1959
オリンパスペンS オリンパス光学工業 135(18×24mm) 1960



 ←ドラえもんの「ポケット」よろしくポケットから色々なものを取り出してお話しされる服部豊さん。

       
 今年初めての研究会は、当会きってのニコンの権威、服部さんのニコンレンジファインダーカメラのアクセサリーの話から始まりました。

 35mmレンズ用ミニファインダー。ニコンS2のボディーに取り付けたまま速写ケースを閉じることができるよう、ファインダーは薄型でアクセサリーシューからオフセットされています。ゴミ混入が多いが、薄い接眼レンズを破損することは多いので分解は危険です。1957年の製造とされています。

 服部さんのコレクション。ニコンSP専用のファインダーイルミネーター。
ブライトフレーム用採光窓の照明装置で、夜間の暗い場所での撮影に役立ちます。黒い円筒内に単3電池1本とランプが入っています。



 巨大な専用フードの付いたニッコール5cm F1.1を装着したタワー(ニッカ5L)
 アクセサリーには5cmレンズ用アルバダ式光像ファインダーが装着されています。
同じく服部さんのコレクションです。
 
 小林泰人さんのコレクションのニコンオート35。1963年のフォトキナで発表され翌年9月に発売されたシャッター速度優先のEEカメラ。大変きれいな個体で完動品です。篠崎光宏も持ってこられました。

 篠崎光宏さんのオリンパス35 T型画面サイスがいわゆるニッポンサイズの24×32mm。1949年発売のW型から24×36mmのサイズになります。ニッポンサイズは最近デジタルカメラの受光素子で再び脚光を浴びています。
              
 長谷川幸也さん所有のオリンパスエースアウトフィット。オリンパスが初めて開発したレンズ交換式35mmカメラです。シャッターをボディ−内におくビハインド・ザ・レンズシャッターでレンズ全群を交換する方式。シャッターはコパルが開発したバヨネットマウントです。1957年発売のヴィテッサのデッケルマウントに遅れること1年でした。
    
 篠崎光宏さんが持参されたオリンピアSSは謎に包まれたセルフエレクト・フォールディングカメラ(いわゆるスプリングカメラ)です。いつ頃どういう会社が作ったのか未だに分かりません。


 小林泰人さんの持参されたニューマン&ガーディア社のトレリスは木製のフォールディングカメラです。ベースボードが2段に延びるので、広角から長焦点レンズ、また近接撮影にも対応できます。
 大変精巧に作られたカメラで現在もストレスなく動作しています。
 小林さんによれば、製品はすべてオーダーメイドで、乾板サイズ、シャッター、レンズを指定して注文したものだそうです。
 
 高島会長のコレクション ニューマン&ガーディア製のニディア、左は折りたたんだところ、右は撮影態勢の状態。後ろの緑色の帽子状のものは乾板のクイックチェンジシステム。8枚のとり枠を次々と交換して撮影できるようになっています。
 竹内久彌さんのコレクション。

 左はチェコスロバキアのオカム社製オカムと言うカメラです。木製のボックスカメラですが、レンズと乾板の間に2枚のドアがありレンズを挟み込んで遮光し、シャッターボタンを押すと第1のドアが回転して乾板に露光し続いて第2のドアが回転して遮光するという、きわめてユニークなシャッター構造をしています。

 右はスイスのマッサーニョ社製のオ・カイというカメラで、単速シャッターの初心者用カメラ

 小林昭夫さん所有の6×9cm、6×4.5cm兼用のスプリングカメラで、販売元は独シュトレンゲンベルクのコンラッド・A・ミュラー社、製造元はバルダ社。
ドイツではこのようなOEM供給は戦前戦後を通じて日常茶飯事であったようです。
 文献によれば、この他にバルディナもノリス名で供給されていました。
 ミュラー社は1904年創立のカメラメーカーで多くの乾板カメラやロールフィルムカメラを製造していましたが1935年頃にはバルダ社から供給を受けて販売をしていたとのことです。

 城靖治さんが持参されたニクセ
イカレッテのシートフィルムとロールフィルム兼用機に与えられた名前で、ツァイス・イコンから発売されたカメラでは上位機種に属します。
感材のサイズによって、シートフィルム6.5×9cm (ロールフィルムで6×9cm )、9×12cm(同8×10.5cm)、9×14cm(同8×14cm)の3種類有ります。
 城さんのものは一番大きい9×14cmのものです。


 同じく城さんのコレクションのネッテル。
 大きなフォーカルプレーンシャッターの設定ダイヤルが目につくプレスカメラです。
 この中では一番小さなアトム判のカメラでレンズはテッサー8cm F2.7の当時としては明るいレンズがついています。

研究会の様子