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2004年9月の研究会報告
9月11日(土曜日)午後2時からJCII6階会議室にて開かれました。今回はテーマを特に定めない『ノンセクション』で多彩なカメラが艶を競いましたした。

04/9研究会持参カメラ一覧・・基本的には持参者の記入通りとし明らかに誤記と思われるものは(編)で修正しました(敬称略、50音順)
持 参 者 カ メ ラ  名 製造会社 フィルム 国名 発売年
浅沼 宣夫 オプティフォルト(Optifort) フォルテ写真化学工業 120(6×6cm) ハンガリー c1948
リコーフレックスZ(セイコーラピッド付) 理研光学 日本 1954
コニレットU 小西六写真工業 コニレット(3×3.6cm) 1956
マミー マミヤ光機 ボルタ判(24×28mm) 1953
伊東 幸男 円カメ カメレット・ユニオンNo.2 不明 シート(3×4cm) c1930
円カメ ベビーカメラ
円カメ ベビーコダック
円カメ アサヒ・スペシャル
円カメ スーパー
スタート35 一光社 ボルタ判(24×24mm) 1950
スタート35KU ボルタ判(24×36mm) 1958
ボルタビット ボルタ・ヴェルケ ボルタ判(25×25mm) ドイツ c1936
岡田 万寿男 レチナUa ドイツコダック 135(24×36mm) 旧西ドイツ 1951
レチナVc 1954
片山 良平 幸福 天津製作所 120(6×6cm) 中国 1959
久保田 正雄 イカレッテ 6×6 イカ 117(6×6cm) ドイツ 1920
ウェルツル ウェルタ 120(6×9cm) 1936
小林 昭夫 プレチーザ バイエル 120(4.5×6、6×6cm)
リファックス(距離計連動) 120(4.5×6、6×9cm)
小林 将利 イコンタB 521/16 Opton Tessar ツァイス・イコン 120(6×6cm) 旧西ドイツ 1948
小林 泰人 コラ(Kola) ヴァーツラフ・コラール 127(3×4、4×4cm)、
無孔35mm(24×36ッm)
チェコ
スロバキア
c1932
ネッテル ネッテル・カメラヴェルケ プレート(6.5×9cm) ドイツ c1910
Sinnox J. Jougla プレート(6枚入りマガジン)(9×12cm) フランス c1901
佐藤 経明 スーパーパクセッテU ブラウン 135(24×36mm) 旧西ドイツ 1956
鈴木 恭一 No.3Aオートグラフィックコダック・ジュニア イーストマン・コダック 122(3 1/2×5 1/2Inch) アメリカ 1918
コカレッテ(#507) ツァイス・イコン 129(5×7.5cm) ドイツ 1926
エンシネッテ2号 ホートン 129(5×7.5cm) イギリス c1909
篠原 光宏 コンドル コンドルカメラ 135(24×36mm) 日本 1957
タロンU 日本光測機 1957
クラウンモダル(Modal)V トーケン光学 120(6×6cm) 1954
ベビーパール(赤蛇腹) 小西六 127(3×4cm) 1935
トミー アルス精機 120(4.5×6cm) 1952
城 靖治 ボックス・テンゴール C.P.ゲルツ 120(6×9cm) ドイツ c1925
116(6.5×11cm)
高島 鎮雄 トロピカル・ゾンネット ネッテル アトム乾板(4.5×6cm) 1911
トロピカル・リリー 小西六 大名刺乾板(6.5×9cm) 日本 1931
イコンタ 520/14 ツァイス・イコン 129(5×7.5cm) ドイツ
ボックス・テンゴール 54/14 129(5×7.5cm) 1928
イコネッテ 504/12 127(4×6.5cm) 1931
ボックス・コレックス ヴァーツラフ・コラール アトム乾板(4.5×6cm) チェコ
スロバキア
1932
竹内 久彌 カルマフレックス 4×4Model 2 カール・アーノルド 127(4×4cm) ドイツ 1933
田村 彰啓 レディーセット・トラベラー アグファ・アンスコ 116(6.5×11cm) アメリカ c1931
アグファ・スタンダード アグファ 乾板(9×12cm) ドイツ c1926
中村 雅夫 ローマー63 ユニバーサルカメラ 120(6×9cm) アメリカ 1948
テナックス 570/27 ツァイス・イコン 135(24×24mm) ドイツ 1930
萩谷 剛 コダック・ツーリストU イーストマン・コダック 620(6×9cm) アメリカ 1951
長谷川 幸也 クロバーシックス(最初期型) 萩工業貿易 120(6×6cm) 日本 1937
クロバーシックス 2 1938
服部 豊 カロワイド 興和 135(24×36mm) 1956
コーワ SW 1964
ニコンF 日本光学 1959
ロビン35T ホクト商会 135(24×26mm) c1950
林田 吉弘 ライカ M3 エルンスト・ライツ 135(24×36mm) 旧西ドイツ 1954
松浦 勇 アサヒペンタックスSP 旭光学 135(24×36mm) 日本 1964
ペトリ V3 ペトリカメラ 1964
キヤノン FX キヤノンカメラ 1964
松尾 良彦 コダック・インスタマチック500 ドイツコダック 126(28.5×28.5mm) 旧西ドイツ 1963
ヤシカEZマチック ヤシカ 日本 1965
ヤシカ44 127(4×4cm) 1958
コダック・インスタマチックS-10 コダック 126(28.5×28.5mm) アメリカ 1967
馬淵 勇 コンドル T フェラニア 135(24×36mm) イタリア 1950
コンドル U c1950
エリオフレックス 120(6×6cm) 1950
山口 満 フォス・デルビーU C.F.フォス 127(3×4cm) ドイツ 1934
-〃- フランス型 ドイツ(仏) 1937
-〃- アメリカ型 ドイツ(米) 1940
山前 邦臣 フォカ・スポール T O.P.L. 135(24×36mm) フランス 1955
-〃- TB 1959
-〃- TD 1959
-〃- U 1957
-〃- S 1963
フォカ・マルリー 127(4×4cm) 1965
山脇 慶酉 ベビーイコンタ 520/18 ツァイス・イコン 127(3×4cm) ドイツ 1932
ウェルツル (U) ウェルタ 120(4.5×6、6×6cm) 1939
ビトマチック Ua フォクトレンダー 135(24×36mm) 1960
吉田 安夫 アブス(後期) 大名刺乾板(6.5×9cm) 1928

   
 高島会長から世話人会の議事報告などがありました。銀座アートプラザが来年7月以降閉鎖が決定したため、’05年秋の写真展から別の会場になること、新しい会場については現在銀座を中心に探しているとの報告などがありました(その後会場については銀座松屋前の松島眼鏡店2階のギャラリーと決定しました)。
      
 No.3Aオートグラフィック・コダックジュニアを手に改造の内容を説明する鈴木恭一さん。改造前のジャバラはほとんど原形をとどめないボロボロの状態でしたが、写真でおわかりのように赤いジャバラが貼られ新品同様によみがえっています。使用フィルムは122ですが120フィルムが使えるアダプターも工夫されています(左下写真参照)。
    
 鈴木恭一さん考案の122フィルムカメラ用120フィルムアダプター。
詳細は会報53号(会員のみ配布)に掲載してあります。

 会報52号から始まった前会報編集者中村雅夫さんの「クラシックカメラエッセイ」の記念すべき第1回目に登場した「ローマー63」の実物を紹介する中村さん。


中村さんのクラシックカメラエッセイは、クラシックカメラにまつわるちょっといい話を取り上げ中村さんの絶妙な語り口で書いて戴いています。


今後しばらく連載の予定。
 コダックのインスタマチックカメラで一世を風靡した126カートリッジフィルム使用のカメラたち、フィルムもなくなり、収集棚で棚晒しになっているのが実情でしょう。
松尾良彦さんは35mmフィルムをカートリッジに詰め込む方法と126カメラの改造方法を紹介されました。そのうち会報で詳しく紹介する予定です。

 小林泰人さん持参のチェコスロバキア、コラール社製の「コラ」。

このカメラは127フィルムに3×4センチ、4×4センチの2種類のフォーマット、さらに専用カートリッジ入りの無孔35mmフィルムで24mm×36mmと、マスクを交換することで3種類のフォーマットに対応しています。


 左の写真は片山良平さんの「幸福」と言う名のカメラ。
 中国天津製作所の製造で1959年発売。右はこのカメラの本家アルティッサ・ブリラントで、このカメラの発売は1936年。幸福という漢字の表記やいかにも中国という感じのレンズ周り模様を除いて、同寸法のそっくりさんです。ドレスデンから天津までの長旅に23年かかったのでしょうか?(アルティッサの写真はMcKeown's Price Guide to Cameras 2001 - 2002 page184より転載)
   
 馬淵勇さん持参のミラノにあるフィルムメーカー、フェラニア社のコンドルT型(左)とコンドルU型。フィルムメーカーフェラニア社ではコダックに倣って感材の販売促進用に初心者向けのカメラを製造販売していましたが、1950年頃工場を整理して自社製造を中止、このコンドル1型はフェラニアが最初に外部製造委託したカメラと思われます。連動距離計付きでライカコピーに見えますがレンズシャッター付きの35mmカメラです。同じミラノにあるガリレオ・オプティカル社が1947年から製造販売していたものを同一カメラ名で販売したもの。コンドルU型はレバー巻き上げセルフコッキング、一眼式レンジファインダー、クランク式巻き戻しと近代化したものです。

 これも馬淵さん持参のフェラニア社のカメラ、エリオフレックスです。

 二眼レフの形をしていますが、大きなビューファインダー付きボックスカメラです。ビューレンズは固定されているので、ファインダーによる距離合わせはできません。
    
 山口 満さんが持ってこられたデルビー3機種
ベルリンにあったC.F.フォス社が製造した画面サイズ3×4cm(127)の小型カメラで、輸出先のディーラーが距離計連動に改造したためフランス型とアメリカ型が派生しました。

 向かって右端が原型デルビーUで距離計無し。左端がフランス型。
中央がアメリカ型で連動距離計が前部レンズボードに取り付けられており、取り外し可能なのでどのボディーにも装着できます。

 長谷川幸也さんのクロバーシックス(クローバーとするのが良さそうですがメーカーの広告はクロバーとなっています)。戦前の代表的国産スプリングカメラで、向かって左が最初期型、右が2型です。画面サイズは6×6センチ(120)です。2型ではシャッター上部の反射ファインダーが無くなり、ボディーレリーズが追加されています。
 最初期型発売後まもなく2型が発売されたので、最初期型は製造台数はごく少量であったと考えられます。

露光計いっぱいのプリントで説明する浅沼宣夫さん。アクセサリーや露光計など小物を紹介する方法について、このような一覧形式ではどうかとの提案です。