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全日本クラシックカメラクラブ
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>>  最 近 の 活 動 報 告  <<        (05年1月31日更新)
2005年5月の研究会報告
 平成17年5月14日(土曜日)午後2時から、JCII6階の会場で開催され、約50名の参加がありました。
 最初に高島会長からAJCC発足25周年記念誌進捗状況の報告、銀座歩行者天国撮影会(6月5日日曜日・・・終了)、7月に行われることになった台湾、台北市での写真展(昨年末の高雄の写真展の展示作品による)、秋の撮影会など今後の予定など説明があり、研究会の本題に入りました。今回の研究会テーマは「カメラ名もしくはメーカー名がP又はQで始まるカメラ」でした。Pのつくカメラが圧倒的に多く、パール、プリモ(東京光学)、ペトリのカメラなどが多く見られました。Qのつくカメラは七井貞明さんと山本重治さんが持参された2台だけでした。以下提出されたリストを元にあまり知られていないカメラを中心に紹介します。


05/5月研究会持参カメラ一覧・・基本的には持参者の記入通りとし明らかに誤記と思われるものは(編)で修正しました(敬称略、50音順)
持 参 者 カ メ ラ  名 製 造 会 社 フィ ル ム 国 名 発売年
浅沼 宣夫 ペンティナM VEBカメラ ウント キノヴェルケ ドレスデン 135(24×36mm) 東ドイツ 1963
パーレット 小西六本店 127(4×6.5cm) 日本 1925
ピコレッテ ツァイス・イコン   〃 ドイツ 1927
五十嵐 登 プリモ ジュニア 東京光学機械 127(4×4cm) 日本 1958
 〃   〃   単独露出計付   〃   〃
プリモフレックス TA   〃 120(6×6cm) 1950
伊木 紀昭 ピクニー D 宮川製作所 ボルタ判(24×24mm) 1940
井上 秀夫 プリモフレックス TB 東京光学機械 120(6×6cm) 1952
岩崎 敏彦 プラクティナ FX VEBカメラヴェルケ ニーダーゼーリッツ 135(24×36mm) 東ドイツ 1953
ペトリ カラー35 ペトリカメラ   〃 日本 1968
岡田 万寿男 セミ プリンス プリンスカメラワークス 120(4.5×6cm) 1936
岡本 貞雄 ピコレッテ ツァイス・イコン 127(4×6.5cm) ドイツ 1927
ペンティ(色違いなど5種) VEBカメラ ウント キノヴェルケ ドレスデン 135(18×24mm) 東ドイツ 1959
プレモ (プレモ12?) コダック 乾板(6.5×9cm) アメリカ 1916
小野瀬 進作 ペンタコン(型式コンタックスD) VEBツァイスイコン ドレスデン 135(24×36mm) 東ドイツ 1953
片山 良平 パリ ジョルジュ・パリ 127(3×4cm) フランス 1934
GAP   〃   〃 1945
 〃   〃 120(6×9cm) 1947
ピコレッテ(For China) ツァイス・イコン 127(4×6.5cm) ドイツ 1929
小滝 日出彦 プリンセスS クロスター(Closter) 120(6×9cm) イタリア 1951
プリモフレックス オートマット 東京光学機械 120(6×6cm) 日本 1956
小林 昭夫 プック(Puck) オイゲン・イジング(Ising) 127(3×4cm) 西ドイツ 1948
パーマ スペシャル(Purma Special) R.F. ハンター 127(4×4cm) イギリス 1937
プリムス ツェー(Zeh) 120(6×9cm) ドイツ
小林 将利 ペトリ スーパーV 栗林写真工業 120(4.5×6cm) 日本 1955
プリモフレックス オートマットL 東京光学機械 120(6×6cm) 1957
プリモ ジュニア   〃 127(4×4cm) 1958
佐藤 経明 スーパー パクセッテU カール・ブラウン 135(24×36mm) 西ドイツ 1956
鈴木 恭一 ポストカード エンサイン ホートン 122 イギリス
フォタビット フォタビット ヴェルケ 135(24×24mm) 西ドイツ 1946
フォタック フォタック(PHO-TAK) 620(6×6cm) アメリカ 1949
高島 鎮雄 パノラックス35ZI パノラックス光学工業 135(24×339mm) 日本 1958
パンタ 6×6cm Dr.ローデヒューザー 120(6×6cm) 西ドイツ 1952
ペリフレックス(オリジナル) K.G.コーフィールド 135(24×36mm) イギリス 1953
フォタビット W フォタビット ヴェルケ 135(24×24mm) 西ドイツ 1947
プック(Puck) オイゲン・イジンク(Ising) 127(3×4cm) 1948
ポウバ・シュタルト (デュプラー付) カール・ポウバ 120(6×6cm) 東ドイツ 1951
    〃   (無銘単玉レンズ付)   〃   〃 1956
パーマ スペシャル(Purma Special) R.F. ハンター 127(4×4cm) イギリス 1937
高橋 正 スター プレモ ロチェスター オプチカル&カメラ 乾板(8.5×10.5cm) アメリカ c1900
竹岡 秀雄 ペリフレックス ゴールドスター K.G.コーフィールド 135(24×36mm) イギリス c1961
中村 昭典 プロミネント T フォクトレンダー   〃 西ドイツ 1950
ペルケオ T   〃 120(6×6cm)
No.1ポケットコダック 英国コダック 120(4.5×6cm、6×9cm) イギリス 1929
中村 雅夫 ペトリハーフ 栗林写真工業 135(18×24mm) 日本 1960
七井 貞明 Q.R.S.カムラ(Kamra) Q.R.S. DeVRY Corp. 135(24×32mm) アメリカ 1928
長谷川 幸也 パーレット(昭和8年前期型) 小西六本店 127(4×6.5cm、3×4cm) 日本 1933
パール IRS型 小西六写真工業 120(4.5×6cm) 1950
ペルレ(Perle) ヴェルタ   〃 ドイツ 1932
林 勝夫 プロミネント U フォクトレンダー 135(24×36mm) 西ドイツ 1958
林田 吉弘 パックス M4(テレフォトレンズ付) 大和光機工業   〃 日本 1958
ペトリCF35 ペトリカメラ   〃 c1980
林 輝昭 ペティ・ヴァニティー(Petie Vanity) Kunik(Distributor),
製造 Kreher & Bayer
16mm(14×14mm) 西ドイツ 1956
ペルケオ フォクトレンダー 127(3×4cm) ドイツ 1932
プリンスフレックス 藤本製作所 120(6×6cm) 日本 1937
藤井 哲夫 ペギーT G.A.クラウス 135(24×36mm) ドイツ 1931
パテント・エチュイ カメラヴェルクシュテッテン(KW) 乾板(9×12cm) c1921
藤岡 俊一郎 プリマーフレックス クルト・ベンツィン 120(6×6cm) 1936
村松 啓三郎 パクセッテ(型番不明) カール・ブラウン 135(24×36mm)
パーレット 小西六本店 127(4×6.5cm) 日本 1925
山口 満 パルボラ イハゲー 1  〃 ドイツ 1931
ペルケオ フォクトレンダー 127(3×4cm) 1932
山本 利実 ピコレッテ コンテッサ・ネッテル 127(4×6.5cm) c1919
パーレット(型番不明) 小西六本店   〃 日本 特定できず
プリモ(Primo) ネディンスコ(Nedinsco) 135(24×36mm) オランダ 1958
ペリフレックス K.G.コーフィールド   〃 イギリス 1954
ペトリハーフ 栗林写真工業 135(18×24mm) 日本 1960
山脇 慶酉 プラクチカFX カメラヴェルクシュテッテン(KW) 135(24×36mm) 東ドイツ 1952
スーパーバルディナ(TF) バルダ   〃 西ドイツ 1955
湯浅 謙 プラクチシックス カメラヴェルクシュテッテン(KW) 120(6×6cm) 東ドイツ 1956
プラクチフレックス   〃 135(24×36mm) ドイツ 1939
プラクチナFX   〃   〃 西ドイツ 1952
吉田 安夫 ピオニール(Pionyr) DUFA 120(4.5×6cm、6×6cm) チェコスロバキア
パクセッテ U カール・ブラウン 135(24×36mm) 西ドイツ 1956
パテント・エチュイ カメラヴェルクシュテッテン(KW) 乾板(6.5×9cm) ドイツ 1921


 上は七井貞明さんが持参されたアメリカQ.R.S.社が発売した、 CameraならぬKamra。茶色のベークライト製の重たい箱形カメラで、 135フィルム使用、画面サイズは24×32mm。1928年に発売。

 右のカメラは高橋正さん所有のアメリカ、ロチェスター・オプチカル&カメラ社が1900年頃発売したプレモカメラ(スタープレモ)。手札判の乾板カメラで赤茶色の蛇腹がしゃれています。この会社はこの頃はコダックの傘下に入っており、後に吸収されました。
 
 林輝昭さんの西ドイツ クーニク社から1956年に発売された女性用のペティ・ヴァニティというカメラ。
右の写真の様に化粧パウダーが入ったコンパクト、口紅などが一体になっています。16mmフィルムに14×14mmの画像を撮ります。





 片山良平さん所有の、戦前から戦後にかけてフランスのジョルジュ・A.・パリ社から発売されたボックスカメラ。

 左が1934年発売のパリ、中央は1945年発売のGAPで何れもベスト半裁判。右は1947年発売のGAPでブローニー6×9cm判です。














 片山さんのベスト判ピコレッテ。この個体には内部に中国向けを示す「For China」の文字がつけられています。

新コンパー(リムセット・コンパー)付なので1930年頃製造された最終型と思われます。

 



 藤岡俊一郎さん持参の250mm望遠レンズ付きのプリマーフレックスT型。ドイツ、クルト・ベンツィン社が1936年に発売した6×6cm判一眼レフ。
 ボディーは純金属製ではなく、木製の本体にアルミ板を張ったものです。


 この会社は東ドイツにあったせいか、戦後U型を出したのみでこのタイプは終わっています。


 プリマーフレックスについては、藤岡俊一郎さんが、カメラレビュー「クラシックカメラ専科 68号」に詳しく書かれているので参照してください。
   
伊木紀昭さんが持参された宮川製作所製ピクニーD、1940年の発売。
1935年に発売されたベスト半裁判のピクニーの後継機。これはボルタ判(24×24mm)で手のひらにすっぽり収まる程度の小さなカメラです。
戦後シルバーという名前でも売られたようです。


 高島会長所有の1958年に発売されたパノラマカメラ、パノラックスZ1。
 このカメラはパノラマカメラで知られるパノン社から別れた人が作ったという 35mm フィルムを使うカメラですが、製造台数は少ないそうです。
 上部の蓋のように見える反射ミラーが回転して円筒状の固定ボディー内周に装填したフィルムに全周を写し込むようになっています。
 使用目的がはっきりしないカメラで、フィルムの装填も非常にやりにくいそうです。
           
 藤井哲夫さん持参のペギーT型。ドイツ、G.A.クラウス社から1931年に発売された距離計のない蛇腹式35mmカメラです。前板を押すとシャッターがチャージされる珍しい構造をしています。右の写真に示す様にフィルムマガジンの装填はボディー外枠を完全に外して行います。
         
 ドイツ、ポウバ社発売のベークライト製6×6cm判固定焦点カメラ、ポウバ・シュタルト。左は1952年発売、右は固定式となったファインダーとレンズ周りがクリーム色となった1958年発売のもの。高島会長が持ってこられました。



 小林昭夫さんと高島会長が持参されたパーマ・スペシャル。

 ベークライト製ベストフィルム使用のフォーカルプレーン機で、イギリスのR.F.ハンター社が1937年に発売したものです。

 非常にユニークなシャッター構造をしており、水平に構えると150分の1秒、右を下にして構えると25分の1秒、左を下にすると450分の1秒のシャッター速度となります。

 内部に設けられた錘の重力がチャージされたシャッターバネ力に逆らう方向に加わるか、足される方向に加わるかで制御する仕組みとなっており、他に類を見ない面白い構造となっています。

  
イギリス、コーフィールド社製ペリフレックス・オリジナル。1953年に発売されたフォーカルプレーン35mmカメラですが、ペリスコープ式ピント合わせ機構という極めてユニークな構造をとっています。軍艦部中央にある先端にミラーが付いている10倍のルーペをペリスコープ式にレンズ光軸まで押し下げて、ピント合わせを行います。
   
 オリジナルに比べ、ペリスコープ式ピント合わせ機構が内蔵されるようになったペリフレックス・ゴールドスターで、これは竹岡秀雄さんが持ってこられました。
  
 HP担当林田吉弘が所有する大和光機製のパックスM4とテレフォトレンズ(左)と専用ファインダー(右)。テレフォトレンズ(コンバージョンレンズ)には焦点距離の表示はなく、標準レンズの距離表示を読み替える換算表があるのみですのでとても使い難いものです。

 サイズは小型ですが全部で600グラムの重量級です。フォトアート誌昭和32年7月号に掲載された1世代前のパックスM3の広告にはライカM3 が背景に使われ、携帯に便利な小型のライカタイプと宣伝していましたが、さすがにM4の広告にはこのようなあからさまな表現はなくなっています。
       
小林昭夫さんが持参されたドイツ、ツェー社製6×9cm判スプリングカメラ、プリムス。1937年発売でニッケルメッキの金具が見事です。
          
西ドイツ、イジング社から1948年に発売されたベスト半裁判カメラ、プック。右側は高島会長が持ってこられたカッサーF2.8付、左は小林昭夫さん持参のトリナーF3.5付。大変可愛い小型カメラですが、製造台数は少ないようです。右のカッサー付のアクセサリーシューは後付のようです。